転んだら死神が微笑んだ
貴志「ごめんな、あかり…。」

あかり「どうして、貴志が謝るの?」

タカシはそれから、何も言ってくれなかった。

ただただ、わたしを遠くへと連れていった。






ウーーッ ウーーッ

遠くから、サイレンの音が聞こえた。

貴志「パトカーの音だな。」

わたしたちが歩いていると、一人の女の子が工場の前で立っていた。

手には電話を持って、遠くを見つめて立っていた。

サイレンの音が近づくにつれ、赤い光がいくつも見えてきた。

サイレンの音ばかりであとは他に何も聞こえなかった。

あかり「あ。」

わたしは、道端に落ちているサングラスを拾い上げた。
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