転んだら死神が微笑んだ
外に出ると、みんな待っていて、いちごちゃんの様子がおかしくなっていた。

あかり「どうかしたの?」

いちご「ごめん。ちょっと気分悪くなっちゃった。」

全身が雨に打たれた捨て犬のようにブルブルと震えている。

寿明「だ、だらしなさすぎだな…お前。」

いちご「ちょっと、休みたいからさ、みんな他のアトラクション行ってきなよ。」

貴志「大丈夫か?いちご。」

うなだれている姿勢で、そのままピースサインをするいちごちゃん。

かなえ「じゃあ、わたし付き添ってるよ。」

いちご「え〜、いいのに。せっかくだから、みんなと遊んでおいでよ。」

かなえ「いいから、いいから。」

ミキ「じゃあ、こっからはカップルで行動しようよ。」

寿明「いいね。」

貴志「カップルって…。」

ミキ「じゃあ、トシくん。行こう!」

寿明「いいよ!どこ行こうか?」

ミキ「えっとね〜…」

貴志「お〜い、もしも〜し。」

ミキと寿明君は、完全に二人の世界に入っていて、呼びかけにも答えずに遠くのほうへ走っていき、人ごみの中へと消えていった。
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