転んだら死神が微笑んだ
貴志「おー!スゲーなぁ、ここ。」

あかり「何見てんの?」

ピーッという音とともに、すごい音が辺りをうめつくした。

あかり「な、何!?」

貴志「ゴーカートだよ!レース式になってて、おもしろそーだぜ。」

あかり「ゴーカート?」

中を見ると、いろんな色の車が円の周りを走っていた。

子どもや大人、さまざまな年代の人が乗っている。

あかり「こういうの好きなの?」

貴志「ああ〜、ゴーカートは男のロマンだろ?」

あかり「お…『男のロマン』…?」

貴志「わかんねーかな〜?この胸の高鳴り。男はこっからはじまって、次第に車に憧れていくんだよ。」

いつになく、熱く熱弁するタカシ。目が尋常じゃないくらい輝いている。

あかり「じ、じゃあさ〜、乗ってくれば、いいんじゃない?」

顔がピクっと反応している。

貴志「お、おお、そうだな。じゃあ、俺行ってくるよ。お前はどうする?」

それって、わたしにも乗れって言ってんの?

あかり「いいよ。わたしはここで見てるから。」

貴志「そっか。じゃあ、見てろよ!」

指をさして、かけていくタカシ。

今そんなことしても、全然カッコよくないから…。
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