転んだら死神が微笑んだ
あかり「なんかいいよね、頂上って。それで一瞬で。」


ガクンッ!!


あかり「あっ!!」

貴志「おぉっと!」

突然、激しい揺れとともに、観覧車が止まった。

最初は止まったのかはっきりしなかったけど、いつまで経っても、あの長いようで短い瞬間がやって来ないから…。


さっきの揺れの弾みで、タカシが覆いかぶさってきた。


あかり「だ、大丈夫!?」

貴志「う…う〜ん…。あ、わ、悪ぃ!!」

タカシは慌てて、わたしの体から離れた。

かごの中が不安定に揺れている。


あかり「どうしたんだろ…?」

貴志「な、なんかトラブルでもあったんだろ?!」



アナウンス『大変申し訳ありませんでした。動力のショートが原因と思われますので、復旧までもうしばらくお待ちください。』



園内にアナウンスが響き渡る。
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