転んだら死神が微笑んだ
ピリロピリロピリロ


貴志「あ、電話。」


ピッ

貴志「もしもーし。」

寿明『あー貴志?今どこいんの?』

貴志「観覧車だけど。」

寿明『やっぱし〜?俺たち四人は合流して下にいんだけどよ〜。』

貴志「『やっぱし』って…。ふざけんなよ。」

貴志「あいつら下にいるってさ。」

タカシが窓から下の様子を見ていた。

わたしも下を見てみる。


いろんな人が集まっているなか、あの四人の色があった。


貴志『ああ、見えてるよ。』


寿明「ホントっ!?どこらへんにいんの?」

貴志『すっげー頂上。』

寿明「『頂上』?!つくづくだなぁー。」

ミキ「頂上にいんの?」

寿明「そうらしいよ。」

ミキ「おーい!!」

かなえ「おーい!」

寿明「へっへへ。おーい!」

いちご「ち、ちょっと、みんな不謹慎だって。」



『おーい!』

携帯からもれる音とともに、ミキたちが手を振っているのが確認できた。

貴志「あいつら…。」

寿明『貴志ーっ。大丈夫だってさー!すぐ降りてこられるって〜。俺たちそれまで、なんか食って待ってるから。』

貴志「なんか食うのかよ…。」


そして、電話が切れ、寿明君たちが消えていった。


貴志「ホントに行くのかよ…。」
< 240 / 284 >

この作品をシェア

pagetop