転んだら死神が微笑んだ
あかり「どうなんだろう?よくわかんないや…。」

お父さん「わかんないか。でも、あかり。」

あかり「何?」

お父さん「いるぞ。お母さん以外の好きな人。」

あかり「え?!ホント?」

お父さん「それはお前、あかりだ〜。」

お父さんがすごい顔でわたしのことを見てきた。

わたしは日傘で、その顔が見えないように隠した。


お父さん「こういう話をしたってのは、お母さんには内緒だぞ?」

目的地に着くと、お父さんがいたずらっ子のように、にやっと笑ってそう言った。

あかり「べつにいいんじゃない?」

お父さん「ダメダメ〜。恥ずかしいだろ〜?」

あかり「どうせ、言わなくたって突き抜けよ。」

お父さん「あ〜、そうか。お母さんは、全部お見通しか。すごいな!良子は。」

あかり「すごいかどうかは、わかんないけど…。」
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