転んだら死神が微笑んだ
お父さん「桶に水くんで持ってきてくれ。お父さん、花買ってくるから。」

あかり「うん。わかった。」

わたしたちが来たところは、お墓だ。

霊園墓地で、同じような墓石がいくつも天を向いて立っている。

水をくんで、石畳の上を歩いていく。



しばらく行くと、そこには、お母さんがいた。

後ろから、お父さんも花を抱えてやって来た。


お父さん「やぁ、良子。おはよう。」

お母さんは黙ったままだ。

返事は返ってこない。

それも当然だ。




お母さんは、亡くなっているのだから。

わたしとお父さんは、お墓の前にいた。

ここに、わたしのお母さんがいる。

お父さん「あいかわらず、キレイにしてあるな。」

お墓は、お母さんの故郷にたててある。
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