転んだら死神が微笑んだ
ドサーッ

鈍い音とともに、何かがわたしたちの前に落ちた。

子どもだ。子どもが転がっている。

いや、わたしの表現はまちがっている。

コイツが。コイツが子どもの足をひっかけた。

はっきりと見た。

あかり「はあぁっ!?ちょっとアンタ!何やってんの?!」

子ども「わあぁ〜ん!!」

子どもの泣く声があたりに鳴り響く。

犯行を目撃したわたしは、あせっていた。

けど、コイツはいたって冷静だった。

かがんで、子どもをなだめはじめた。
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