転んだら死神が微笑んだ
何回か角を曲がると、静かな住宅街に出た。

貴志「へぇ〜。」


また少し歩いていると、どこからか声が聞こえる。

男の人の声だ。

男の声「…ゅに……じゅに……」

あかり「ねぇ、ジュニーって言ってない?」

貴志「えっ?ほんと?!」

ジュニー「パパのこえだーっ!!」

ジュニーはいきなり走りはじめ、かけていった。

あかり「あ!待って!」

どこにそんな力が残っていたのだろう。ジュニーの後ろ姿はとても嬉しそうだった。

ジュニーパパ「じゅりっ。樹里ーっ!」

わが子を見つけた父は、力いっぱい樹里を抱きしめた。

よかった。

え…っ?!『じゅり』?

あ、そっかぁ。まだ自分の名前、ちゃんと言えてなかったんだね。
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