フリーな執事様
その時 幸がその場から立ち去る音がした。





「待って!!行かないで、お願い!」



私は急いでドアを開けた。



「‥」



目の前には、幸が。幸は笑顔で私を出迎えてくれた。



「ごめん、いじはって」

「いえ。」



なんで、そんな笑顔でいられるのよ。私、幸にたいして酷いこと言ったのに。



「‥」

「泣いていらっしゃるのですか?」

「‥‥泣いてなんか」





私は、幸に抱きついた。幸は驚いているようだったが、優しく抱きしめ返してくれた。



「泣かないでください、奏様」

「幸はいつも優しいね。だから‥」

「だから‥なんです?」



私は顔をあげた。





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