スワローテイル・バタフライ
あたしが紹介するまでもないじゃない。
だって…何コレ!?
おかしくない!?
カウンターには左から梓・創・あたしの順番で座ってて、創は左向きっぱなしだし。
浩太も梓にばっか興味深々に話しかけている。
なんか一人で来た寂しい人みたいになっちゃってるし!
しかもあたしだけアルコールなしなんて、それはそれでムカツクし!
こぉなったらもぉやけ飲みしてやるんだからっ!
一人で一万円分飲んでやるぅ!!
「でもあたし梨本君の事も中学の頃から知ってたよ!」
「え…なんで?」
「俺らなんか有名だったらしいよ?西中サッカー部の得点王だとかなんとか」
「え〜っマジ!?何か嬉しいなぁ!」
あたしがむくれている横でかまわず仲良くお喋りを始める三人。
何か本格的に仲間はずれにされた気分…。
なによぉ〜!
一人くらいあたしの事気にしてくれたっていいじゃんよぉ!
バーカバーカ!
こんな調子が小一時間程続いた頃―――…。
「ただいまぁ」
「あ、マスター、お帰りなさい」
マスター。つまり店長さんが帰って来たようだ。