スワローテイル・バタフライ

「お前の知らない奴だよ」

「また新しい女引っ掛けたの!?」

「バカ、人聞きの悪い事言うな!向こうが勝手についてくんの!」

「わー。さっすが元NO.3ホスト〜」

「うっせ」


そこで丁度タバコをすい終わったお兄さんは、

「じゃあ俺行くわ」

と言って上着をはおると、出口の方に歩いていった。

えっ…もう行っちゃうの…!?


…このまま、何も印象に残らないままお別れしていいの…?

あたしだって…せめて一言でいいから会話したいっ!!


「あのっ!!!」


思い立ったら即行動。

それがあたしのモットーだ。


「ん?俺?」


あたしの魂の叫びに近い声を聞いて自分を指差しながら振り返るお兄さん。

みんなの視線も、一気にこちらに集中する。


「あの…お、お名前…なんて言うんですか?」

「あ、名前?俺はねー、龍太っていうの。でも本名好きじゃないから龍輝って呼んで?亜蝶チャン♪」


龍輝さん…かぁ。

素敵な名前…



「あのっ…ご、ご趣味は!?」

「…はい?」


さすがにそんな切り替えしが来るとは思っていなかったらしく、お兄さんは少し困っている様子だ。


「ぶっ…亜蝶、何言ってんだよお前。お見合いじゃねんだから」


ギャラリーたちに至ってはは腹を抱えて笑い出す始末。


なによー…

知りたかったんだからしょうがないでしょー!
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