スワローテイル・バタフライ
「その話…長くなる感じ?」
龍輝さんが申し訳なさそうに口を挟む。
あ…そっか。
友達待たせてるんだっけ…
あたしのバカ…。
これじゃただの空気読めない女じゃん…。
しょっぱなから失敗したと落ち込んでるあたしに龍輝さんは
「あのさ、俺ほとんど毎日この店にいるし。またみんなで遊びおいでよ。君らなら顔パス!」
と言ってくれた。
「え!?ちょ、ちょっとぉ!何勝手に決めてるのよぉ!」
「じゃあそういう事で!またなー」
龍輝さんはマスターの言葉を遮って店を出て行った。
カランカランという鈴の音が店内に響く。
「もぉ〜〜っ。たっちゃんたらぁ…しょうがないわねぇ」
マスターも龍輝さんの頼みだけは断れない様子だ。
また…会えるんだ…。
店を後にする時の龍輝さんの笑顔が頭に張り付いて離れない。
思い出すだけで、こんなに心臓がバクバクいってる…。
また会えるって思うと、思わず大声で叫びたくなる程嬉しくなる。
ねぇ…
人はこれを恋と呼ぶの?
誰か、教えて…。