スワローテイル・バタフライ
「何おまえ…兄貴の事気に入ったの?」
龍輝さんが帰ってから浩太が最初に発した一言目はそれだった。
ここで嘘ををついても仕方がない。
というか…もう嘘をついても手遅れだと思う。
「…そう…みたい」
あたしがゆっくり頷くと、
「マジかよ…」
と言って浩太は右手でコメカミを押さえ込んだ。
どうやらあたしが龍輝さんに好意を持ってしまった事がまずかったらしい。
「言っとくけど…あいつはおまえの手に負えるような奴じゃないぞ?」
「…言われなくてもわかってるよ…どーせ相手にもされないって言うんでしょ?あたしなんかじゃ…」
「そういう事じゃねーよ。ただ…」
「あぁ、女がいっぱいいるって事?そりゃモテるだろーね!あんなカッコよかったらさ」
「…とにかくだ!俺はオススメ出来ない。大体あいつあんなチャラチャラしてっけど今年25だぞ?オッサンだぞ?」
「年齢なんて関係ないもん!あたしは自分のカンを信じる!龍輝さんはあたしの運命の王子様なんだから!」
その台詞を聞いた創が
「なぁにが王子様だよ気持ちわりぃ。頭大丈夫か?」
とちゃちゃを入れて来る。
「いたって正常ですけど何か!?」
あたしも負けずと反論した。