スワローテイル・バタフライ
「でもぉ…確かにカッコ良かったけどぉ〜何だか怖そうじゃない?あずのカンだと…相当ヤバイ臭いがすんだよねぇ〜」
「何処が?弟想いの優しい人じゃん!あんな優しい顔で笑う人が怖い人な訳ないもんっ!」
「あぁ〜亜蝶は男に騙されるタイプだぁ」
「はぁ!?」
なんでそこまで言われなきゃなんないの!?
「だろぉ!?梓ちゃんもそう思うだろ!?コイツほんと危なっかしいんだよ。夢中になると周りが見えなくなるっつーか」
「わかるわかるぅ!貢がされるだけ貢がされていいように使われて捨てられるみたいなぁ?」
「もっと言ってやって言ってやって!」
創と梓がタッグを組むと最強だ…。
今日出会ったばかりのくせに…くそうっ…。
「いーい?亜蝶!いい人ぶる事は誰にでも出来るの!詐欺師はみんな優しい顔してるんだよぉ?」
「……………」
言い返せなくなった。
だって、あたしなんかよりもずっと恋愛経験豊富な梓が言うことに、間違いはないと思うから。
でも、こんなに何かを掻き立てられる人に出会う事なんてこれから先、ない気がする。
良くも悪くも
あたしは彼に影響されるのならそれは本望だと思った。
だから…きっと。
止められたって何したって、あたしはここに通ってしまうんだろう。
もう、あたしの目には彼の姿しか映っていなかった。