スワローテイル・バタフライ


…龍輝さんて社会人なのかな…?

アッシュ系の明るい髪に
所々に垣間見えているタトゥー。

とても普通の会社員には見えないけど…


「あの…た、龍輝さんって何してる人なんですか!?」

「仕事?彫り師〜」


…ホリシ?

ほりし…

掘り士!?


「え…浩太の家って農家だっけ?」

「ぶはっ!」


突然龍輝さんが腹を抱えて笑い出した。

おそらくあたしの言葉がよっぽど見当外れな答えだったんだろう。


「あはははっ!亜蝶ちゃん面白い事言うね!俺が芋とか掘ってるように見える?」

「…いや…見えないです…けど…」


そこで浩太が

「彫り師ってのはタトゥーを彫る職人の事を言うんだよ」

と説明を加えてくれた。


あ〜なるほど!

そんな職業があったのかぁ…。

どーりで龍輝さんの身体に所々タトゥーが見えてる訳だ。


「亜蝶ちゃんにも何か彫ってあげよっか」

「兄貴っ!!高校生に何勧めてんだ!!」

「えぇっ!?いいんですか!?」

「おめぇも間に受けんじゃねーよ!!」



もはやあたしの耳に浩太の言葉なんか入らない。



タトゥーって今まで凄く悪いイメージだったけど…


なんか…


いいかも…



龍輝さんのあの長くて綺麗な指があたしの身体を飾っていくなんて

なんてエロティックでファンタスティックなのかしら。
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