スワローテイル・バタフライ
act.4

【裏表-KOHTA-】




あの後は大変だった。


本人は覚えちゃいないだろうが

“ほんとに本気なんらからぁ!!”

とか言ってまた喚き始めて、兄貴のそばを離れようとしないから連れの綾乃さんが怒って帰ってしまったのだ。


暴れ疲れたのか酔いが回ったのか、とりあえず今、奴は店のバックルームで眠っているので騒ぎはひとまず落ち着いたものの…。

当の被害者である兄貴は少々ご機嫌斜めのご様子…。



「お前あの子に何飲ませたんだよ!」

「えっ…俺カルーア一杯しか出してないんだけど…」

「カルーア一杯であんなんなるか普通!?」

「しらねーよ!なったんだからなったんじゃねーの!?」


…って、

何で俺らが喧嘩なんかしなきゃなんねんだよ!



……アホらし。


あいつ今後一切酒禁止だな。


「…兄貴さぁ。話変わるけど亜蝶の事どー思ってんの?」

「は?どーって?」

「いや…あいつマジで兄貴の事好きっぽいし」

「……高校生じゃん。悪いけど俺の許容範囲は19〜23なの」

「なら…いいけど」


俺が安堵の表情を浮かべると兄貴は何を勘違いしたのか

「え、何!お前あの子の事好きなの?」

と嬉しそうにに聞いてきた。


昔からこの人は俺の恋愛ネタに妙に食いつく節がある。

…全くもって余計なお世話だ。
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