スワローテイル・バタフライ


中学の頃から俺とコイツとはこんな感じで宜しくやっている。


厳しく育てられたせいか、亜蝶は曲がった事が大嫌いで正義感も強い。

こんな風に細かい事で説教を垂れるのはコイツの趣味なんじゃないかと疑う程に頻繁な事だった。



時々窮屈に思う時もあるけど

亜蝶はこうじゃないとつまんねーよ。


乱れまくってるこの世の中、一人くらい…教科書から生まれて来たような奴がいても俺はいいと思う。


お前には

変わって欲しくねーんだよ。


だから

これ以上あいつに関わって欲しくないんだ。



大嫌いなはずの酒なんか飲んじゃったりしてさ…。



そういうの
お前らしくなくて

不安になる。



いつか見た
泣き叫びながら許しを請う
あの女の人のように


お前も…

ボロボロに傷つけられて

壊れていっちまうのかなって…。



俺は

そんなお前の顔なんか

見たくない。




見たくないんだ…。
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