スワローテイル・バタフライ



「もしかして浩太くんと同じとこぉ?」

「………え?」


何処で働くとかはまだ全然考えていなかったけど、梓の言葉にあたしはハッとした。


HEVENS DOORで働く=龍輝さんに会える=お酒ものまなくていい=お小遣も入る…


さ、最高じゃない!?

何で今まで気がつかなかったんだろう…!?


「それいいね!!名案だよ!!梓ありがとう!!」

「えっ?う、うん…」


働く事は悪いことじゃないからお父さんだってきっと許してくれると思うし!

ちゃんと10時に上がれば問題ないっしょ!


まだ採用されるとも決まったわけじゃないのに、その時のあたしの脳内には、あのカウンターで龍輝さんと楽しくお喋りをしながらカクテルを作っているあたしの姿が映し出されていた。




「ふつーそこまでするかねぇ」






あたしの妄想は突然降ってきた怠そうで不機嫌な声に強制終了させられる。

その声はあたしが小さい頃から嫌という程に聞いてきたアイツの声だ。


「創!…と浩太!」

「おいコラ!人をオマケみたいに言うな!」


どうやら話しを聞かれてしまっていたらしい。
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