スワローテイル・バタフライ
「…あのさ」
廊下に並び、無言で立ち尽くしていた二人の間の沈黙を先に破ったのは浩太だった。
「ん?」
「創の事なんだけどさ」
「うん…」
妙に重苦しい雰囲気があたしたちを包む。
浩太は、創の事について何か知っている様子だ。
「え!?レギュラーを外された!?」
散々焦らされて、やっとの事で聞けた浩太の一言にあたしは衝撃を受ける。
「ちょっと先輩と揉めたらしくてさ…そしたら突然レギュラー下ろされたって…」
「え!?」
「ほら、あいつ樋口と付き合い始めたじゃん?先輩達も狙ってたみたいで…」
「そんなの…」
「まぁそれだけじゃないんだろうけどな。あいつすげぇ期待されてっから妬む奴も多いんだろ。俺がいりゃ…絶対そんな最悪な事態起こさせなかったのに…」
浩太…自分の事責めてるんだ…
気が短い創のストッパー係は中学の頃からいつもあんただったんだもんね…。