スワローテイル・バタフライ
「……浩太のせいじゃないよ」
慰めにもならないような月並みな言葉しか言えなかったけど…
それが今のあたしの精一杯だった。
でも…
そっか…
それで創はあんなにムキになってたんだ…。
「…試合に出れなきゃ、意味ねーしな。サッカーなんて」
「でもほら!復活のチャンスはまだあるんでしょ?」
「少なくとも三年がいるうちは無理だろ。引退まであと三ヶ月ちょっとか…耐えられるかな、アイツ…」
「……………」
あたし…最低だ。
知らなかったとはいえ
そんな状態の創の前で軽々しく部活辞めるとか言っちゃって…
怒るのも無理ないよ。
サッカーは昔から創にとって生き甲斐だったもん。
「…けど」
浩太は続ける。
「俺、ぶっちゃけ…アイツが変になったのには別の理由もある気がしてならねーんだよな」
………どういう意味?
あたしは浩太の言っている意味がよくわからなくて、きょとんとした顔を向ける。
「これは俺のカンなんだけど…
あいつ、お前の事好きなんじゃねーかと思う時があるんだよね」
……………。
「はぁ!?」
何を言い出すのかと思えば。