ｽﾜﾛｰﾃｲﾙ･ﾊﾞﾀﾌﾗｲ

「そんな事あるわけないじゃん。だって創は梓と付き合ってるんだよ？ばっかばかしい」

「まぁあいつ自身も、気づいてねーだろうけど」

「なんで自分でもわかんないような創の気持ちが浩太にわかんのよ！？あんたはエスパーか！」

「…だって…」

「だってもクソもない！そんなのありえないったらありえないね！

大体！100歩譲ってそうだったとしても！それとこれとどういう関係があるってゆーのよ！？」


そもそも何でいきなりそんな事言い出したのか意味がわかんない。

それを聞いてあたしはどうリアクション取ればいいの？


好きな人だっている事知ってるくせに！

一体何がしたいんだコイツは。




「お前が変わってくのが…寂しかったんじゃね？」


ふいに放たれた浩太の一言。

けれどあたしには身に覚えがなさすぎて
また、きょとんとする。


「は？あたしは別に変わってなんかないけど？」

「お前が気づいてないだけだよ。恋にのめり込みすぎて周りが見えなくなってんじゃねーか」

「う…それは…」


最後の最後に痛恨の一撃を喰らったあたし。

でも、思い返してみればそれは当たっているのかもしれない。


だから…
言い返せなかった。