スワローテイル・バタフライ
「どしたの〜?創。お金ならないよ〜?」
こんな事は滅多にない。
帰りを待つほどの用事がもしあるとすれば1000円貸してだとか、そんなような事くらいしか思い当たらなかった。
「俺は取立て屋か」
「あははっ。似合わないっ」
「浩太がバイト決まったんだってさ。お前と一緒に遊びに来いって」
「うそぉー!?良かったねぇ!!実は心配してたんだよ!ほら、浩太って頼り
なさそうな感じじゃない?」
「それ、本人の前で言ってやんなよ?結構気にしてんだから」
「あはっ。そんで、何処で働いてんの?」
「ダーツ・バー」
……………え。
あたしは一瞬石のように固まる。
だ…だーつばぁーって何?
「ダーツ・バーって何だ?って顔だなその顔は」
さすが、幼稚園来の幼馴染。
あたしの心の中が読めてしまうよーだ。
「あのねっ。的に矢を当てるゲームをしながらお酒が飲めるところだよっ」
それまで気をつかってか大人しく待っていた梓が横からダーツバーについての説明をしてくれた。
へぇ〜そんな所があるんだぁ…。
知らなかった。