スワローテイル・バタフライ

「お前には縁のねーとこだろうな。ここ、俺の兄貴の友達の店なんだ」


…お、お兄さん!?

浩太ってば兄弟いたの…
初耳なんだけど。


「まぁ座れよ」


カウンターテーブルに案内され、横一列に並んで腰を下ろす。

カウンターの中に立つ浩太はなんだかいつもとは違って凄く大人に見えた。



お客さんはまだ、うちらだけみたい。



「何飲む?今日は俺のオゴリね」

「マジ!?ふとっぱらぁー!!」


創が嬉しそうにメニューを開く。


「俺ね、じゃこのダーティマザーってやつ」

「それブランデーベースだぞ?大丈夫かよ?」

「ナメんな。じっちゃん譲りで酒は強ぇんだぞー!」

「さ…酒っ!!?」


バーとは聞いていたけどまさか自分達がお酒を飲む事になるなんて夢にも思わなかったあたしは、風紀センサーの警鐘を脳内で響かせた。


「お酒なんて飲むの!?だめだよ!!うちら未成年じゃん!!」


シーン…

その場の空気が一瞬にして凍る。


創と浩太はあたしの性格がわかっているのでさほど驚く事もなかったが、一番呆気にとられていたのは梓だった。


今時そんな事言う奴いるんだーとでも言いたそうな目をしている。

でもあたしは間違った事は言ってない。
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