小学生彼氏。



「それは俺もよく分かってる。
でもね……」

蕾君はそこまで言うと、あたしの目線よりも下の地面に視線を落とした。



「学校は正直、辞めたくない」


あたしは黙って続きを待った。


「ダンスとの掛け持ちも正直大変だけど
どっちも好きだから、俺には全然苦痛じゃない。

学校には友達もいるし、毎日楽しいしね。

学校も大事な俺の一部なんだ」


高専は5年制。

蕾君が卒業するまで、あと2年。
蕾君が言いたいことが
やっと分かった。



「2年って結構
長いからなぁ……」

遠くを見るような目をして、悲しそうに呟く蕾君。



「……うん…」


あたしはただ、相槌をうつことしかできなかった。







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