小学生彼氏。
振り返ると……
「紐!??」
何故かちょっと膨れっ面の
真っ赤なエナメルのスポーツバッグをからった紐がいた。
紐はてくてくと早歩きでここまで来ると、表情を崩さず口を開いた。
「何してたの?」
「え??話してたんだよ?」
あたしがそう言うと、さっきから手で口を押さえて何故か笑いを堪えていた蕾君が吹き出した。
「何笑ってんだよッ!!」
怒り口調になる紐に対して蕾君は笑いながら紐の頭を撫でた。
「お前かわいいな(笑)」
その手を乱暴に払い除ける紐。
「ちょ、子供扱いすんなバカ!!
蕾兄もう向こう行け!!」
「はいはい(笑)。
じやあねっ、姫ちゃん☆」」
さっきより明らかにテンションが上がってる蕾君は
そう言ってニコニコ…いや、ニヤニヤしながら去って行った。