小学生彼氏。

少しずつ自分の番が近づいてくる。



とうとうあたしの番になった。


前の子が席に着いたと同時に立ち上がる。

机と机の間を歩いて前の教壇に立つ。


全員から視線を浴びているのが分かった。

あたしの緊張は一気に高まる。


注目を浴びるのはあまり得意じゃないのだ。

廊下側の列の席に座っている潤葉と柚樹が頑張れ!!という視線を送ってくれているのに気付いた。


あたしは小さく笑って、口を開いた。


「…名前は、七瀬姫です」


名前を言ったところで少し騒めきが起こる。


『ありす??』


『って不思議の国の??』


『アリス??』


『すげェ名前(笑)』


…特に男子から。





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