月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る
東を乗せたタクシーの運転手の証言によると、乗り込んできた時の東は携帯を眺めていただけで、息を切らした様子はなかったという。
一方で小林巡査は確かに金髪で白いジャケット姿の後ろ姿を見たと証言している。
このように関係者の証言は完全に食い違っており、それが捜査の混乱を招いていた。
「東さんはどう思われますか」
達郎の質問に東は首をひねった。
「どう思うかといいますと?」
「吉原さんの死が自殺か、他殺かということです」
「ああ、そのことですか…」
東はしばらく考え込んでから
「自殺だと思います」
と答えた。
「僕に願いを聞き入れてもらえなかったんだから、しのぶさんはそうするしかなかったでしょう」
夜の闇に包まれた公園で、白いドレスの女が自らの首筋にナイフを走らせ自殺する。
おどろおどろしい、非現実めいた場面だ。
しかし現場の状況は、その可能性があったことを物語っている。
一方で小林巡査は確かに金髪で白いジャケット姿の後ろ姿を見たと証言している。
このように関係者の証言は完全に食い違っており、それが捜査の混乱を招いていた。
「東さんはどう思われますか」
達郎の質問に東は首をひねった。
「どう思うかといいますと?」
「吉原さんの死が自殺か、他殺かということです」
「ああ、そのことですか…」
東はしばらく考え込んでから
「自殺だと思います」
と答えた。
「僕に願いを聞き入れてもらえなかったんだから、しのぶさんはそうするしかなかったでしょう」
夜の闇に包まれた公園で、白いドレスの女が自らの首筋にナイフを走らせ自殺する。
おどろおどろしい、非現実めいた場面だ。
しかし現場の状況は、その可能性があったことを物語っている。