雨のち晴れ
「ははっ…そんな泣きそうな顔すんなや」
「だってぇ…」
「寂しかったんやろ?知ってるって…携帯に何回も電話したのにでぇへんから探しまわったやないか」
はっと鞄の中の携帯をみると
アズからの着信が15件、ヒイロから20件、リュウジから10件あってトータル35件も入っていた。
「気付けよ…心配したやろ?」
アズは私に近づいて手を握った。
その瞬間私の心臓が跳ね上がった。
何でだろ?…
凄くドキドキして体が震える…
「ア…ズ…」
名前を呼ぶとアズは振り返って
「え!?嘉穂?何震えるてんねん!」
と言って私を見た。
「わかんない…でも…ドキドキする」
何いってんのあたしは!
なんかアズのこと好きって言ってるみたいじゃん!!
「……俺も、ドキドキしてんで」
え?
なんで?