雨のち晴れ
公園について
ベンチにならんで座った。
少し重たい空気が流れて
しばらく2人とも喋らなかった。
ど、どーしよ…
何から話すか迷っていたら
アズが口を開いた。
「なんか転校初日が懐かしいわ」
「…そうだね」
「嘉穂初めて見た時、可愛い子やなって思った。でもなんか寂しそうやし辛そうやしどうしたんやろって思ってた。」
「…」
「ほら、俺ってお節介やん?やからほっとけんくてさ…」
アズ…
アズの声が心に響く
無意識に涙がながれた。
「でも、やっぱり嘉穂に出会えてよかった。ちょっとの間やったけどほんまに楽しかった。ありがとうな」
「アズ…」
「泣くなよ!俺まで悲しくなるやん」
「アズ…あたし、アズに会えてよかったよ。あたしを救ってくれたのはアズなんだよ。強くて優しいアズはあたしのヒーローだね…」
「ヒーローて、そんなええもんちゃうで」
「あたしにとってはすごくいいものだよ…
…ありがとう」
それからまた長い沈黙が始まった。
気づいたらあたりは少し暗くなっていた。