雨のち晴れ
夕暮れ
アズが大阪に帰ってから
1ヶ月たった。
季節はもう秋の半ばまできていた。
あたしは毎日連絡した。
毎日連絡は帰ってきた。
でも最近ポツポツと返事が減ってきた。
「はぁー…」
「何ため息ついてんの?」
窓の外を眺めてたあたしに
ヒイロが問いかけた。
「うーん、アズから返事が少なくなってきたんだよねー。」
「まぁそんな時もあるだろ」
「でもさー。遠距離だとやっぱり心配だよ…。」
「それはアズも一緒だろ」
ヒイロはあたしの頭をポンと撫でて
優しく笑った。
ヒイロはいつも優しい。
あたしが寂しくないように
そばにいてくれる。
「なぁなぁ、久しぶりに屋上でサボらね?」
リュウジがジュースを持って来て言った。
次の時間自習だしいいかな。
そう思って3人で屋上へいった。
屋上に出るといい天気で
滅入った気持ちも晴れる気がした。