雨のち晴れ
リュウジには一言メールして
ヒイロと駅前のショッピングモールに
行くことにした。
結構広いショッピングモールで
あたしの好きな服屋さんや
雑貨屋さんがいっぱいあった。
「どこの店行きたい?」
ヒイロが聞いてくるから
案内の看板を見ながら
ここ!っと言った。
可愛い雑貨屋さん
あたしが好きなお店
「わぁー、可愛い!ネックレスもブレスレットもー!」
あたしが手にとったのは
小さいハートがついたペンダント。
「かわいいね」
横でヒイロがつぶやいた。
あっ、自分の好きなお店ばっかり
見ちゃってた!
「ヒイロはどこ行きたい?」
「え?」
「あたしの行きたいとこばっかいっちゃってたから今度はヒイロが行きたいとこ!」
「うーん、俺はこっち!」
とヒイロはあたしの手を掴んで
歩き出した。
えっ、ちょっ、手!!!
なんか恥ずかしいよ
「嘉穂?大丈夫?」
俯くあたしにヒイロが
心配そうにいった。
「えっ!?ぜ、全然平気!!」
「あはは、嘉穂顔赤いよ?」
「あ、赤くないよ!恥ずかしいだけ…」
小声でつぶやいた。
「ははっ、それって…期待しちゃっていい?」
ヒイロはあたしの顔を覗き込んだ。
期待??
なんの期待??
あたしが不思議そうな顔をしていたのか
ヒイロはまた笑って歩きはじめた。