運命~unmei~
なんか左腕に痛みがあると思ったら点滴か・・・
あ、もう終わりだ。
頭もボーっとする。
看護婦さんは私の方を見て
「点滴終わったわね。安定剤入れてるから頭がぼーっとするかもしれないけど大丈夫?」
「は、はい。何とか。」
「じゃぁ、MRI検査しましょうか。着いてきてね。」
私は言われた通り看護婦さんの後に着いて行った。
MRIの検査室は何だか薄暗くて少し怖かった。
検査が始まり、すごく大きな音がしてさらに恐怖は増した。
検査が終わった時には動機が激しくなっていた。
「これで検査は終わりますので、待合い室で少しお待ち下さいね。順番が来たら先生の診察室にお呼び致しますね。」
そう言い残すと看護婦さんは去って行った。
待合室に戻るとお父さんとさっきまで来ていなかったがお母さんも駆け付けてくれていた。
けどさっきまで居た総務課の緒方さんの姿はもう無かった。
「美波、検査大丈夫だったの!?」
お母さんは心配そうに聞いてきた。
「検査の結果は今から聞くよ。何にも無いから大丈夫だって!」
私は元気そうにそう言ったが自分が一番怖かった。
「藍沢美波さん、神経内科にお入り下さい。」
アナウンスが流れた。
神経内科?私たち家族は不思議に思い、不安ながらも診察室のドアを開けた。
これが私の「unmei」を変えることだと誰も予想はしなかった。