学芸会
フラッシュバック
おはよう!その言葉と共に新しい一日が始まる。
天気の良い日もあれば、どしゃ降りの雨の日だってある。
でも新しい一日が始まる事には変わりはないんだ。
だから僕は朝は努めて陽気に振る舞う。
新しい一日への挨拶さ!
そりゃあ気分の悪い日や、落ち込んでる日だってあるけど、
僕にとって新しい一日が何より幸せ、何より大切なんだ。
今朝はとても気分の良い朝だった。
今日はどんな楽しい事が起こるんだろう。
そんな事しか頭に浮かばない。
ベッドからゆっくりと床に降りて座り、
あらかじめ床に置いてあった普段着に着替える。
僕の部屋は1階にあるので、お母さんが朝食を作っている音が聞こえてくる。
まな板をリズム良く叩く包丁の音。
清々しい水の弾ける音。
全てが心地良い。
いい匂いもしてきた。
僕の家では朝食は必ずご飯食と決めている。らしい。
朝の清らかな食卓に、ミルクやパンが置いてある風景は最近では目にした事はない。
その当たり前な朝の風景は
僕の事を気づかった〔習慣〕だということに
僕は既に気付いていた。
あれはちょうど2週間前の朝、
いつものように少し寝ぼけながら
ベットから起き上がり
学校に行く準備を始めようとしたその時、
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