先輩彼氏☆後輩彼女
<壊れた友情>
「みずっ!!瑞希ちゃんっ」
あたしはただただ背中を追った。
いつも頼りないあたしを
助けてくれたその人の。
「ねえ!!瑞希ちゃん!!!!」
何度も何度も名前を呼んだ。
けれど振り向いてくれない。
これまでにこんな事、
一度もなかった。
だから焦ってるんだ。
体育館を出て、校門に
向かう瑞希ちゃん。
このままでは帰ってしまう。
あたしは走った。
ガシッ
瑞希ちゃんの腕を
強く掴んだ。
「待ってよ?」
自分でも驚くほどの
低い声。
あたし、怒ってる?
瑞希ちゃんは振り返らず、
立ち止った。
「何なのよ・・・」