先輩彼氏☆後輩彼女
いつもと変わらず双葉の
摩訶不思議な話を聞いていた。
こないだラーメン食べたら
天ぷらそばの味がしたとか、
肥料だと思って触った土が
実はダンゴ虫の死骸だったとか。
とにかくあきれるけれど
面白くて、マジになる
双葉の顔が可愛かった。
小学校のときからも、
そういう天然なところが
可愛くて、よく男子は
双葉を狙っていた。
でも、双葉本人はそんなこと
全然知らない。
天然なうえ、鈍感だから。
当の本人は知らないことを
あたしはいち早く知る。
そして頼りない双葉を
さりげなく助けてきた。
これがいけなかったのだろうか。
あたしがいちいち
助けてなかったら、
双葉は小学校の時から
男の子をいつも隣に
つけていたかもしれない。
あたしのそのさりげない
救いのせいで、
今も双葉が天然なのかもしれない。
だからって、助けないと
いうことは出来なかった。
ほおっておけない。
見てられない。
あたしは双葉の母親以上に
母親だったのかもね。