先輩彼氏☆後輩彼女
<愛しい人said☆瑞希>
『…好き、だからっ』
切なそうに答えた言葉が
胸に突き刺さる。
「…ふざけないでっっ!!!?」
あたしは携帯に怒鳴った。
『ふざけてねぇよ!!
俺はいつも本気だ!!!!!』
強気な答えだった。
悔しい。
認めてあげてもいいのに。
双葉のこと、許してあげてもいいのに。
でも…
「双葉をもてあそばないでっ!!!!」
本当なはそんなこと、思ってないのに。
「もう…あたしは関係ないっ!!!!」
そう言ってあたしは携帯を切った。
「それは…本心じゃないよね?」
あたしの肩を抱くその声。
「……」
「…泣いてるから、本心じゃないか」
冷たい瞳があたしから
視線を逸らした。
「邪魔すんなよ?
俺の企み、壊すんじゃねぇよ??」
「…わかってます。小沢先輩」
あたしは零れ落ちる涙を必死で
手で拭う。
「……双葉には悪いけど、
アンタとは友達、やめてもらうから」
あたしは小沢先輩の無表情な顔から
目が離せなかった。