先輩彼氏☆後輩彼女
<噂said☆乃望瑠>
「…また来てるしっ」
俺は廊下でウロウロしている
一人の1年ぼうずを見つけた。
「よく先輩のクラスまで来れるね~」
美恵が塾の宿題をやりながら言う。
「俺がアイツの恋の相談してやってから
ずっと来るんだよね~」
「…でも、嫌じゃないんでしょ?」
そう、美恵の言う通り。
はっきし言って、面倒くさいけど
話しをするのが大好きな俺には
嫌な事ではなかった。
「おい、また来たのかよ?
宮元港一く~ん??」
「…はい、来ちゃいましたー」
今日も元気なさげに
悲しく笑う春輝の恋敵。
「今日はどうした?」
「……大竹先輩に、
どうしても聞きたい事があって」
俺より一個も歳が下のクセに
真っ直ぐな瞳を俺に向ける。
「俺に聞きたい事?」
なんだろ~と、軽く考える俺。
「小沢先輩って、何か隠してますよね?」
宮元のその言葉に俺は笑いを失った。
「…ちょっと行こ」
俺の変化に気付いた宮元は
素直に俺の後ろに付いて来る。
そして辿り着いた階段裏。
ここでよく、宮元の相談を聞いてやる。
「…さっきの話しね……。
実は俺も、チラっと知ってる」
俺の言葉に宮元がやっぱりという顔をする。
「俺、波川の友達と小沢先輩が
やりとりしてるの、偶然見ちゃったんです」
「…やっぱり長谷川瑞希が関係してるのか」
「大竹先輩は何か知ってるんですか?」