先輩彼氏☆後輩彼女
――――――― 昼休み
「春輝のクラス、行ってこよっと♪」
鼻歌を歌いながら俺にワザと
言ってるかのように教室を出て行く波川。
(…嫌味かよっ)
波川がいなくなった1-7はなんだか
いつもより静か。
「ふぅ…」
俺は心の空洞を通る溜息をついた。
やっぱ、アイツがいないと…
俺は切なくなる恋心を抑えた。
グイッ
そんな俺の腕を強引に引く奴がいた。
「!!? 圭? 何だよ??」
無言のままの圭に引っ張られる。
それでもシカトする圭。
教室から少し離れた廊下で
圭は足を止めた。
「何だよ?」
俺は圭を怪訝そうに睨む。
「実は…港一に言っておく方が
いいかもしれない話があって」
いつも余裕そうにしている圭が
とまどいがちに言ってきた。
「…波川のことか?」
「まぁ」
「その話、すっげー聞きたい!!」
「…まだ誰にも言うなよ?」
「もちろんっ」
「実は…」