オレンジ色
「はぁ…。」
暇だな一人でベンチ座ってボーとしてるの。
ってあれ、江山?
「…何で、いんのよ。最悪だ…。」
やばい。
きづかれた…。
「あんれ〜?山本だー!おーい。」
でかい声出すなぁ。
皆が私の事見てるよっ。
「…暇だから!」
素っ気なく返事したのに、こっち来んな!
「…隣いいよね?」
何よ!
図々しい。
ていうか、なんで私、剥きになってんだろ…。
「お好きにどうぞ。」
こいつとは小学生からずっといっしょ。
江山友夜っていってお調子者のうざい奴!
友達は多いみたいだけど。
顔はつり目と…何だろ、格好いいほうだと思う。
何かとモテてるしっ。
何かムカつく…。
「こんな所で何してんだよ?」
まじでしつこい奴め。
「暇潰しですけど、何か用ですか?」
私はちょっとふざけて言った。
「…用なんてねぇよ!毎日会ってんだから。俺らクラス同じだし。」
そういえば…。
「そうだったね!…何?」
さっきから江山が私のことすごい見てくる…。
黙ってるし。
「…。」
「なっ何よ!バカ。」
ヤバイよ…顔が熱い。
私は夏樹が好きなのに…。
「あっ、すまん…。お、俺さぁー!」
やめて!
それ以上言わないでよ。
聞くのが怖いんだ…。
「…私、もう帰るね!じゃあっ。」
逃げたら負け…。
逃げたら…。
「待てって!逃げんなっ。俺の話し最後まで聞けよ!」
江山が私の腕を掴んで叫んでいた。
公園には誰もいなくて、辺りは綺麗な夕日が照らしていた…。
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