オレンジ色
ガチャッ

「ただいま…。」
私は小さな声で言った。
「…秋、何か作って。」
お母さん。
お帰りも言ってくれないの…?
「うん。待ってて」
「……」
何か言ったらいいのに。
何作ろうかな…。
「お母さんグラタンでいい?冷凍の…。」
「……」
それでいいと思い、私は冷凍庫からグラタンを取り出して温める。

チンッ

「あっ出来た。」
私は母に声をかける。
「お母さん出来たよ…。」
「…テーブルの上に置いてて。」
こんなの分かってた事。

*自分の部屋*

「はぁ…。つかれた。」
今頃、なっちは百合とチャットしてんのかな…。

ブーブーブーッ

あっメールッ!
由佳かな?
《加藤由佳》
やっぱり。
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