ファースト ラブ ~女子高校生×ホストクラブ経営者~
――カイトさんがピアニスト志望だったなんて・・・。


花音は組み合わされた両手を見た。



繊細ですらりとした指、力仕事をしている男性の指とはまったく違う。



「すごく荒れたよ、チンピラのようなホストになって浴びるほど酒を飲んだ。女ともすぐ寝たし・・・」



カイトが口元に笑みを浮かべた。



「幻滅した?」


――花音ちゃんが思っているほど優しい男じゃない。親切でもないし、冷淡にもなれる。



「・・・幻滅して欲しいの?」


花音は真っ直ぐカイトの目を見て言った。



その物怖じしない花音を見てカイトはフッと笑った。



「いいや、幻滅して欲しいんじゃなくて君は幻滅する」



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