ファースト ラブ ～女子高校生×ホストクラブ経営者～

「カイトさん」


ヒロが近づいてきたカイトに気づいた。



カイトの名前を聞いた途端、花音の心臓はドキンと鳴った。



振り向くまもなく花音は手首を掴まれて立たされていた。




「カイトさん？」


ヒロもレイジもあっけに取られる。


はるかは男の嫉妬をカイトに見て心の中で考える。



――花音ちゃんと別れた理由はわからないけど・・・彼はまだ・・・



立たされた花音もビックリした顔でカイトを見つめているばかりで言葉も出ない。



「事務所へ来てくれないか？」


手首を掴んだまま歩き出したので、花音は有無を言えずに付いて行くしかなかった。



――拒めるはずがない。



掴まれた手首が熱を帯びているようでドキドキする。