ファースト ラブ ~女子高校生×ホストクラブ経営者~
――小夜子と結婚はやめる 2人で一緒に暮らそう――
そんな言葉が喉まで出かかる。
でも自分は小夜子にプロポーズをしたのだ。
カイトはその言葉を飲み込んだ。
トントン
事務所のドアが叩かれた。
カイトは花音から離れるとドアへ向かった。
「はい?」
ドアを開けると紫苑が立っていた。
「紫苑さん!」
紫苑が来るのは珍しい。
「お邪魔だったようだね?」
カイトの後方に立っている花音を見て紫苑が笑みを浮かべたが、花音の様子に笑みが消えた。