君の寝顔
すると突然俺は人込みの中にいた。
都心だろうか、高層ビルが建ち並ぶ。
急に寂しさに襲われる。
そして絢が居なくなっていることにふと気がつく。
「絢?絢?」
何処を見渡しても絢は見つからない。
そこに、絢がいつも着ているコートを着た女の後ろ姿を見つけた。
俺は人ごみを掻き分けてその女の腕を掴み
「やっと見つけた。」
と言う。
でも振り返えった女は絢じゃなかった。
頭の中が真っ白になり、不安が俺を恐った。
…はっ
目が覚めた。
夢か。
ソファーで眠ってしまった俺の体には毛布がかかっていて、絢は俺の前にしゃがみ込んでこっちを覗きこんでいる。
絢はふわっと笑顔になって、
「やっと起きた。」と言った。