一筋縄では逝かせない★
「も〜!ダメだぞ。こんな事しちゃ☆」
おばあさんのお説教に、はーい!とまるで純粋で無垢な少年の様な返事が二つ元気に返ってきました。
「学校で習わなかった?仲間外れはしちゃいけないって。人種を越えるとまた考え方が違うのかしら…」
おばあさんは腕を組み、うーんと唸り声をあげました。
「判りました、先生!雉も鳴かずば撃たれまいですね」
「そうね。キジだけに雉なのね、上手いわ!」
パチパチと何に対してなのか謎な拍手があがりました。
「じゃあ、行きましょうか。遠足は家に着くまでが遠足よ」
おばあさん先生は人差し指を立て、二人に覚えさせました。
またもや、
「はーい!」
という元気な返事が返ってきました。
「上手くいったわ。これがNo.009“女教師の瞬き”。効き過ぎて自分でも恐ろしいわ」
自分に酔いながら、おばあさんは二人を後ろに引き連れて足跡を辿って行きます。