一筋縄では逝かせない★
「なんでないのよ…。」
桃子は呆然と立ち尽くしました。
「おじいさま。どんな歩き方してらっしゃったの…?」
偽の親子と言えど、おなじことを考えていたとは驚きです。
「おまえさあ、歩いて普通はあんな跡つくか?」
犬が冷静に、状況を把握しようとします。
「こっから歩いた、って考えるのが、普通じゃねえの?」
「あら。あたしに助言してくれていますの?それは…。」
桃子の目が妖しく光りました。
「(この親子、まじ最低…。どんな目力してやがる。)」
犬は軽いため息をもらします。
「まあ、いいわ。それよりー、おじいさまの好きなお菓子を作りましょ♪そうしたら匂いで来るかも★」
「(しかも馬鹿…。)」
犬の考えに耳を傾けることもせず、桃子はどこからか材料を持ってきて作りはじめました。