一筋縄では逝かせない★
「あ、何でしょう?これ…」
「お菓子みたいですけど…ボロボロですね」
キジと男が香りを嗅ぎつけて着いた先には、大きな和菓子の様な物の塊がありました。
どうやら、和菓子で家が作ってあった様です。
が、大きな穴が空き、原型はほぼ留めていません。
人が住んでいた形跡は微かにありました。
「芳ばしい香りはするけど、これはさすがに食べたくありませんね…」
「はい…さすがに」
二人はガックリと肩を落としました。
「あんた達!さっさと先に行くんじゃないわよ!ちょっとは労りなさいよ…」
大きく肩を上下させながら、やっとおばあさんが追い付いてきました。
「何なの、この空気…」
周りを見渡して状況を把握したおばあさんは年長者として、
「ほらほら、二人共元気出して!あ、あれ見てあんな所に足跡が…って、ええぇぇぇ!?」
二人を元気付けるつもりが思わぬ物を発見しました。
「足跡が二組とお菓子のカスでしょうか…?」
三人は顔を見合わせました。