一筋縄では逝かせない★



「ねぇ、本当にこっちで当たってるんでしょうね…?」



「はい」



徐々に険しくなっていく森におばあさんは怪訝そうにキジに尋ねました。



けどキジは何度聞いても、はいの一点張り。



「あんた、この足跡が誰のものか判ってるんじゃないの?」



キジはギクリとしましたが、何かおばあさんは不思議な力を持っている様で白を切っても見抜かれてしまうと思い、正直に、



「…これは、おじいさんのものです」



と白状しました。



「なんですって…?」



おばあさんの体がワナワナと震え、



「じゃあ、あの小さい足跡は、あの小娘のもの?」



「(鋭い!)はい…」



キジは恐る恐る言いました。



すると、



「おーほっほっほっ!」



とおばあさんから高笑いが。



口元に手をあて、ふんぞり返り、



「あの小娘、はぐれてるじゃないの!いい気味だわ!ざまぁ見ろね!」



おーほっほっほと、とても気分が良さそうです。




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