一筋縄では逝かせない★



「足跡に変わったわ」



引きずった跡を辿ると、また足跡に変わりました。そして気付けば目の前に池が。



おばあさんは適当な大きさの石を拾い、池に投げ入れました。



「おばあさん…何を!?」



「まあ見てなさい。こういうベタな展開には…」



「あなたの落としたのは、この金の石ですか?それとも銀の石ですか?」



池の水面が光り輝き、まばゆく光る女神が現れました。



「そんな石ころどうだっていいのよ!おじいさん見ませんでした?」



「正直過ぎるあなたに、金銀両方の石もあげましょう。いらなくても持ち帰って下さい。あと口は禍のもとです、周りの人には素直になりましょう」



「占いかよ!!…じゃなかった…てか、あなた頭どうしたの?」



おばあさんは女神の頭の膨らみを指差しました。



「…いきなり上から岩が降ってきて…」



女神は頭のたんこぶを擦りながら言いました。



それと…と思い出した様に、




「おじいさんも降ってきました」



と付け足しました。



「な…なんですって!?」



いや、直ぐに助かったんですけど、という女神の言葉に耳も貸さず、おばあさんは池に飛び込んでいきました。



「ちょ…おばあさん!!」



「あ〜…どいつもこいつも!今度は助けないから!」




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